夜明けの怪人図書館

不定期更新。やっぱり本が好き。

飯田ぽち。『姉なるもの』

僕のお姉ちゃんは、悪魔だ。

 

すまない、私には姉などいない。ぶっちゃけてしまえば、長男であり妹がいるのでお兄ちゃんではあるが…。

だからこそフィクションの世界の、頼れるお姉さん、凛々しいお姉様、優しいお姉ちゃんというものに、憧れを抱いてしまっても仕方無いのだ。……よし、事前の言い訳は済んだな! そんなわけで、今回の一冊はコチラ。

 

飯田ぽち。姉なるもの

 

両親を事故で亡くし、親戚の家を転々としていた少年:

彼は世話になっていた家の蔵で、美しい女邪神に遭遇する。

あなたの願い事はなあに?

家族を欲する夕は、女邪神に「お姉ちゃんになってください」と願う。

女邪神は彼の願いを聞き入れ、夕の姉:千夜として共に生活する事になる。

 

家族愛に飢えた少年がある日突然、綺麗すぎるお姉ちゃんと共同生活。羨ましいなコノヤロウ。

私は上記で千夜を“女邪神”と表記はしたけれど、正式には何と表現したらいいのだろう、劇中では“千の仔孕む森の黒山羊”と自己紹介し、悪魔とも邪神とも呼ばれていた模様。要は、名状しがたく冒涜的かつクトゥルフ的なサムシングである。

 

そしてが彼女に願った事は、「お姉ちゃんになってください」。

この台詞だけを抜粋すると誤解を与えてしまいそうなので補足しておくと、一緒に食事したり散歩したり、洗濯や掃除といった家事をしたり……。当たり前と言ってしまえば当たり前な、そういう事を彼女に願う。

千夜という人間として夕と共に生活するようになった、女邪神。時々的外れな事をしたり、触手がウネウネしたりもするが、千夜も千夜で「お姉ちゃんは弟を大事に想うもの」と、人間のそれと変わらない愛情を注ぐ。たまに過激な事もやってしまうが

 

ちなみにこの作品は元々、成人向けの同人誌が最初。

『電撃G'sコミック』および角川グループの無料漫画サイトで一般向けに連載され、単行本化という流れになっている。今回私がピックアップしているのは、あくまで一般向けの方だ。

同人誌の方も完結や中断をせず、継続して展開される。18歳未満のヤングマンはうっかりこっち側を覗き込んでしまわぬよう、ご注意を。部屋を掃除したお母さんに見つかって家族会議になっても、私は責任取らないからね!

 

体は大人、中身は子供、最初にダイナミック言い訳した通りの非常に面倒臭い私という人間が、とある本屋のコミックコーナーでこのマンガの試し読み冊子を見つけ、パラパラ読んで購入を決意したのも致し方無い話。

物心ついた頃には既に“お兄ちゃん”だった故に、素直に甘えさせてくれる存在に憧れてもいいじゃない。にんげんだもの

 

あと、ちょっとマニアックかもしれないが。

千夜の声は佐藤利奈で脳内再生してる。

 

 

★今回の一冊

姉なるもの』(KADOKAWA / 2016年)